大正時代から昭和初期にかけて若い女性を中心に人気を博した着物は、現代の私たちが目にしても魅了されるモダンなデザインが多い。それらの華麗な着物が一堂に会した「華やぐ着物 大正、昭和の文様表現」が、12月20日(木)〜2019年2月16日(土)に文化学園服飾博物館で開催される。

この年代に好まれた着物の文様は、日本の伝統的なモチーフを西洋風にアレンジしていたり、洋花の大胆な柄や鮮やかな色を取り入れたりと、西洋文化の影響をも受けたそれまでとは異なる美しさが特徴。明治時代以前に日常着として着られていた着物の大半は、無地や縞模様の慎ましいものであり、華美な文様の着物は高価であったため一般には手の届かない代物。それが大正時代以降、化学染料の普及と染色技術の向上によって大量に生産ができるようになった。銘仙の台頭によってそれまでは木綿しか着られなかった一般の女性までが絹の着物に袖を通せるようになり、また、大量生産でもたらされる手頃な価格、各デパートの綿密な店舗展開や有名女優をモデルに起用したポスターの製作などの宣伝力も相まって、多くの女性が日常着としての着物のおしゃれを楽しむようになった。私たちの知る「大正ロマン」の装いで、大正や昭和初期の街々を華やかに彩った100年程前のファッショントレンドを、ぜひ実際に確かめてみて。

アール・デコ的なバラをデザインした銘仙の羽織(昭和10〜15年頃)
藤の花を図案化し、斜め縞を構成した銘仙の着物(昭和初期)
どちらも西洋風にデザインした鮮やかな帯柄(大正〜昭和初期)
西洋文化が日本に根付き始めた影響のデザインは男児着物にも(大正時代)
吉祥文様が散りばめられた婚礼用着物(昭和8年)

「華やぐ着物 大正、昭和の文様表現」

【開催期間】
2018年12月20日(木)〜2019年2月16日(土)

【休館日】
日曜、祝日、振替休日、年末年始(12月29日〜1月6日)

【会場】
文化学園服飾博物館
(東京都渋谷区代々木3-22-7 新宿文化クイントビル1F  tel:03-3299-2387)

【アクセス】
電車:
・JR山手線、京王線、小田急線「新宿駅」(南口)より徒歩7分
・都営地下鉄新宿線、大江戸線「新宿駅」(新都心口)より徒歩4分
地下道ワンデーストリート 出口O-1に隣接

【開催時間】
10:00〜16:30
※1月25日、2月8日は19:00まで開館。入館は閉館の30分前まで

【入場料】
一般500円(400円)、大高生300円(200円)、小中生200円(100円)
※( )内は20名以上の団体料金 ※障がい者とその付添者1名は無料

文化学園服飾博物館HP

https://museum.bunka.ac.jp/
※展示会会場内でのご注意事項等は上記URLからご確認ください。