ご存知の通り、絹は蚕の繭から作られる繊維。実はオスとメスの作り出す絹糸には違いがある。蚕のオスはメスよりも体が小さく吐き出す糸が細い。また卵を産まない分、体にあるたんぱく質をすべて糸に吐き出すことが出来るため、メスの蚕が作り出す糸に比べて艶や丈夫さも特別で上質だと言われている。しかし、卵から孵化した蚕のオスとメスを選り分けるのは容易ではなく実用化は非常に困難。そのためオスのみ選別する研究は世界中で行われ開発が競われることに。そして、ついに日本の研究者が37年の歳月を掛けてオスだけが孵化する蚕を作り出すことに成功。世界でも類を見ないクオリティの高さを誇る純国産の新蚕品種「プラチナボーイ」が誕生した。プラチナのように美しい光沢を持った貴重な糸を最高の形で世に送り出すべく、銀座もとじプロデュースのもと着物の生産と販売を行っている。この体験型商品の「プラチナボーイ物語」は、蚕への給餌や製糸体験、製織体験を組み込み、単に特別な糸で作られた着物を手に入れるだけではなく、国産の上質な絹への理解と着物文化の魅力を体感できるのも素晴らしい。手元に届くのは2019年3月頃。約1年の間、プラチナボーイに思いを馳せながら、極上な1枚を待つ贅沢な時間も共に楽しみたい。

37年の歳月を掛けオスの蚕だけを孵化させる研究によって誕生した「プラチナボーイ」の繭。
繭から真綿に。昔ながらに手で引き撚りをかけずに糸を紡ぐ。空気を含んだふっくらとした紬糸へ。

プラチナのような光沢を持った世界でも類を見ない極上の絹糸により白生地の艶やかさも見事。

糸自体が持つ艶と相まって更に輝きが増す鮮やかな染め上がり。糸密度が高い生地は身体の曲線に添ってなじむため美しいドレープを生む逸品。

銀座もとじは、1979年に銀座に店舗をオープン以来、織の着物専門店「和織」、染の専門店「和染」、2002年には業界初となる男の着物専門店「男のきもの」、2012年には大島紬の専門店「大島紬」をオープンするなど、専門特化した店作りを行っている銀座発祥の人気呉服店。世界初となるオスだけの純国産蚕品種 “プラチナボーイ”から作られた糸で着物の生産と販売を行い、養蚕農家から染め織りまで、作り手の全履歴がわかるチームでのもの作りに注力。一本の糸からこだわり、現代のライフスタイルや街並みに合う着物を提案している。

平成30年度 「プラチナボーイ物語」

【募集人数】15名
【販売価格】38万円(税込)
※色無地1反28万円、裏地代、仕立て代、各産地体験参加費含む
※広巾の場合は、プラス5万円となります
※江戸小紋や紅型など誂えで染める場合は、別途料金となります
【スケジュール】
■第1回 養蚕体験 2018年5〜6月頃
・養蚕農家での春繭の養蚕体験(茨城県)
■第2回 製糸体験 2018年 9月頃
・座繰り体験&碓氷製糸での製糸見学(群馬県)
■第3回 製織体験 2018年11月〜12月頃
・長浜縮緬織元見学および八丁撚糸体験(滋賀県)
■2019年3月頃 白生地完成、色決め
※染め上がり後、お仕立てをしてお納め
※蚕の養蚕状態によって日程変更をする場合があります
【お申込み・お問い合わせ】銀座もとじ 和染 TEL:03-3535-3888

銀座もとじ「プラチナボーイ」についてはこちら
http://www.motoji.co.jp/original/PlatinumBoy.htm